不定詞の基本の3用法【名詞的用法・形容詞的用法・副詞的用法】

不定詞というと、中学校で学ぶ英文法の中で最も大きな難関のうちの1つですね!不定詞は長文読解でも非常に重要となってくる単元であり、しっかり理解しておく必要があります。今日は、その不定詞の基本の考え方である3つの用法についてお話しします。

不定詞の形

まずは不定詞の形を学習しましょう。不定詞の形はto+動詞の原形です。原形がくるということはしっかり覚えておいてください、

不定詞の形
to +動詞(原形)
 

気をつけなければいけないことは、toには前置詞のものもあり、toがあれば必ず不定詞になるというわけではありません。複雑な文章になると、toが不定詞なのか前置詞なのかわかりにくくなってきますが、前置詞の場合はそもそもtoの後ろが名詞であること、さらには後述の3用法の日本語訳を当てはめてもうまくいかないことが多いです。

example
I called the hotel to book a room.
「部屋を予約する為に、ホテルに電話した。」
 

to+動詞の原形を組み合わせた不定詞は、動詞以外の品詞の役割をします。具体的には、不定詞のかたまりが名詞(名詞的用法)や形容詞(形容詞的用法)や副詞(副詞的用法)のかたまりとなって文中で機能します。

ネイティブはこの不定詞の3用法を頭の中でしっかり理解しているのか、とよく聞かれますが、実は理解していません。個人的にはどの用法であっても全て一緒に見えます。もっと言うと、普通のネイティブには前置詞のtoも不定詞のtoも同じように理解しています。toは矢印のイメージだとも言う人もいるようですが、それもどうなんでしょう。日本人の皆さんは助詞の「に」には矢印のイメージがあるんでしょうか。。。ネイティブは感覚で理解できます。英語学習者でも、レベルが高くなれば不定詞の用法も意識せずに理解している人が大半だと思いますが、初心者の場合はその用法と訳し方をまずはしっかりと覚えておいたほうがいいでしょう。

不定詞の3用法

不定詞には、名詞的用法、形容詞的用法、副詞的用法があるのですが、今度はそれぞれの用法や訳し方をもう少し詳しく見ていきましょう。

名詞的用法

名詞的用法は不定詞のかたまりが文中で名詞として機能している用法です。名詞として機能しているので、不定詞は名詞が出てくるような位置、つまり主語や目的語や補語になっています。「こと」と訳します。

example
To go to school by train is fun.
「電車で学校に行くことは楽しい。」
 

上の例では、不定詞のかたまりであるto go to school by trainが文の主語になっています。

なお、名詞的用法の場合で主語に不定詞が使われている場合は、形式主語を使って書く方が自然です。

example
It is fun to go to school by train.
「電車で学校に行くことは楽しい。」
 

形容詞的用法

形容詞的用法は不定詞のかたまりが文中で形容詞として機能している用法で、不定詞が直前の名詞を修飾します。「ための」、「べき」と訳します。以下の例ではto drinkがsomethingを修飾しています。

example
I want something to drink.
「何か飲むためのもの(飲み物)が欲しい。」
 

形容詞的用法には以下のように、前置詞の後ろが欠けているような用法も存在します。この場合も直前の名詞を修飾します。

example
I need something to sit on.
「座るためのものが必要だ。」
 

ちなみに、なぜ欠けているのかって?それは、別のポストで詳しく解説しているので、そちらをご覧ください。

前置詞で終わる、不定詞の形容詞的用法 【ネィティブと学ぶ英文法シリーズ】

副詞的用法

副詞的用法にはいくつの用法があります。

1. 目的を表す副詞的用法

副詞的用法の中で最も多いのは、「〜ために」や「〜ように」と訳すような目的を表す用法です。

example
I came here to see you.
「私はあなたに会うためにここに来た。」
 

なお、目的の意味で使う場合はin order to やso as toで書き換えることもできます。不定詞のtoで書くと、色々な解釈が出てきてしまいますが、in order to やso as to を使うと、目的の意味しかでません。そういった意味では、ライティングでは是非使えるようになっておきたい表現ですね!

example
I came here in order to see you.
I came here so as to see you.
 
2. 感情の原因を表す副詞的用法

副詞的用法には目的を表す用法の他にも、感情の原因を表す用法があります。この用法の場合は、不定詞が感情を表す形容詞(happy, sad, surpisedなど)の直後に来て、「〜して(うれしい)、(悲しい)、(驚いた)」と訳します。不定詞のかたまりがこれらの直前の形容詞を修飾していると考えられるので、副詞的な用法になります。

example
I am happy to see you again.
「あなたにまた会えてうれしいです。」