接続詞as
接続詞のas。英文和訳によく出てくる単語ですが、その意味の多さから毎回悩んでしまう単語ですよね。今日は、そのasの意味や訳し方を、もう一度しっかり確認してみたいと思います。
その前に、そのasは本当に接続詞のasですか?
実は、asには前置詞と接続詞の意味があることは知ってましたか? ちなみに、前置詞のasなら後ろには名詞のみ。接続詞の場合は後ろに文が来ます。ややこしい場合もありますが、まずは落ち着いて文構造をとり、本当にそれが接続詞のasかを確かめることが重要です。下の(1)と(2)はどっちが接続詞でどっちが前置詞かわかりますか?
(1) As your professor I insist you complete the project in tow days.
(2) As he was still too young to live on his own, he moved into the dormitory.
(1)は前置詞、(2)は接続詞ですね。asを見た瞬間にあきらめる人もいますが、それが前置詞である場合、まったく難しくはありません。というのも、前置詞のasは基本的に「として」の意味ぐらいしかありません。非常にシンプルで簡単です。
前置詞のasは「~として」
接続詞のas
さて、そのasが接続詞だと確定すると、しっかりと意味を見極めなければいけません。結論から言うと、asには6個の意味があります。全部知ってましたか? 例文と一緒に、1つずつみていきましょう。
1.「ので」のas
まず、asの代表的な用例が、この理由を表すas です。
(3) He had to quit his part-time job as he had to focus on his studies.
「彼は勉強に集中しなければいけなかったので、バイトをやめないといけなかった」
(3)のasは基本的にbecauseと同じasですが、理由で使う場合はもっぱらsinceやbecause のほうが多いかもしれません。また、becauseの場合、just becauseなど、justやonlyがbecauseを修飾する場合がありますが、asはjust asやonly as といった用法がありません。
2.「とき」のas
この「とき」を表すasもよく出てきます。
(4) As I entered the room, I discovered my bag was gone.
「部屋に入ったとき、私はカバンがなくなっていることを発見した。」
このasはwhenと似たような意味なのですが、whenとは少しニュアンスが異なり、asだとより同時性が強調された形になります。つまり、上の文だと、「部屋に入ったと同時にかばんがなくなっているのが分かった」という意味になります。
3. 「ように」のas
「ように」を表すasは頻出です。
(5) Please do as I told you.
「私が言ったようにしてください。」
「ように」を表すasは後ろにSやVがない不完全な文が来ることも多いです。接続詞なのに、不完全な文がくるというのは少し変ですが、後ろに不完全な文をとるのは、この「ように」の用法のasだけなので、そこから意味を簡単に絞り込むこともできます。
(6) As in the chart below, it is clear that women live longer than men.
「下の表のように、女性が男性より長生きするのは明らかだ。」
4. 「つれて」のas
この「つれて」を表す用法が、受験でもっとも多く問われる用法です。下線部訳になっている場合、まずこの「つれて」を疑ってください。
(7) As the population increases, it becomes harder for people to find affordable housing.
「人口が増えるにつれて、安い家を見つけるのがますます困難になっていく。」
とくに、この「つれて」のasはdevelopやincrease, decrease, moreなどの変化を表す言葉とともに使われることが多いです。
5. as~as構文as
比較対象「~と」を表すas(2番目のas)も接続詞です。ちなみに、1番目のasは「同じくらい」を表す副詞のasで、2番目のasとは全くの別物です。1番目のasの後ろには必ず副詞や形容詞が来ます。
(8) The score of the English test was not as good as I thought.
「英語の成績は私が思っていたほどよくなかった。」
as~asの構文では、前方にもう一つのasがあるので、見分けやすいと思います。
6. 「だけれども」のas
最後の「だけれども」を表すasはあまり使われることがない形です。この意味では、形容詞や副詞、名詞をasの前に置き、”形容詞/副詞/名詞 as S V”の語順になります。
その語順が特殊なため、意味はかなり見抜きやすいです。
(9) Young as he was, John was appointed to project leader.
「若かったけれど、ジョンはプロジェクトのリーダーに任命された。」
もともと”as 形容詞/副詞/名詞 as S V”という形で初めのasが省略されたものなんですよね。ごくまれにこの形でも出たりすることがあります。
まとめ
全部必ず覚えておきたいですね!長文の練習中にasが出てきたら、しっかり意味を確認するようにしてください。
1. 「ので」(理由)
2. 「とき」(時)
3. 「ように」(様態)
4. 「つれて」(比例)
5. 「as~as」(比較)
6. 「だけれども」(譲歩)