多義語の動詞【大学受験でよく出る!】

英語の文の中心をなす動詞。そんな動詞の中でも、中学で習うような簡単な動詞が意外な意味を持ったりします。今日はその意外な意味を持つ英語の動詞をやりましょう。

run 「経営する」

「走る」という意味の単語runですが、この「走る」という意味では通常目的語を取りませんが、目的語をとる場合は「経営する」という意味が受験では頻出です。

example
(1) My father runs a hotel in Hawaii.
「私の父はハワイでホテルを経営している。」

受験では出ない用法だと思いますが、runには実はほかにも「お風呂を入れる」という意味もあります。

example
(2) Would you run a bath for me?
「お風呂を入れておいてくれない?」

do 「役に立つ」「間に合う」

「する」を表す意味のdoですが、実は「役に立つ」という意味もあります。

example
(3) Anything sharp will do.
「とがったものなら何でも大丈夫。」

(4) Any day after 3rd will do.
「3日以降なら、いつでもいいよ。」

このdoは目的語を取らず、もっぱらwill doの形になって使われることが多いです。

move 「感動させる」

moveは「動く」や「動かす」という意味が有名ですが、実は「感動させる」という意味もあります。

example
(5) The movie moved us a lot.
「その映画は大いに感動させた。」

なお、この意味でのmoveは分詞形容詞となって、moving book 「感動させる本」やI was moved 「私は感動した」のように使われることも多いです。
なお、同じような意味を持つ動詞にtouchがあります。touchにも「触る」以外にも「感動させる」という意味があります。しかし、これもmove同様、touchingやtouchedの形で分詞形容詞として使われることが多いです。

example
(6) The movie was so touching.
「その英語はとても感動的だった。」

become 「似合う」

become は「なる」という意味も最もよく知られた動詞の1つですが、実は多義語の1つで「似合う」という意味があります。サイズが合うという意味ではなく、色などの調和がとれているという意味での「似合う」です。

example
(7) This suit becomes you very much.
「このスーツは君によく似合っているよ。」

この意味でのbecome は 服+ become+人という形をとります。服=人となることはないので、この文はSVCではないことがわかると思います。

なお、このbecomeは現在分詞becomingになって「似合っている」という意味にもなることができます。

example
(8) This shirt looks so becoming on you.
「このシャツは君に似合っているように見えるよ。」

realize 「実現する」

realizeには「認識する」という意味もありますが、「(夢などを)実現する」という意味もあります。この「実現する」の意味でも、かなりよく使われます。

example
(9) I finally realized my dream of being an artist.
「私はとうとう芸術家の夢を実現した。」

この「実現する」の意味でrealizeを使う場合、主語は人で目的語は希望などが来ます。希望などが主語に来た場合は、come trueを使います。

example
(10) ×My dream realized. 〇 My dream came true.

see 「経験する」

seeは「見る」という意味ですが、そこから派生して「経験する」や「目撃する」という意味があります。大したことではないように思えますが、実は 年代+saw+出来事 とかなり変わった語順になります。

example
(11) The 19th century saw great Europeanization in Japan.
「19世紀に日本では大きな西洋化があった。」

pay 「割にあう」

「払う」という意味以外にも、payには「割にあう」という意味があります。有名な例文が以下のものです。

example
(12) Kindness sometimes doesn’t pay.
「親切は時には割に合わない。」

(13) Being honest always pay you.
「正直であることはいつも報われる。」

meet 「満たす」

meetは「会う」以外にも、「満たす」という意味があります。実はセンター試験などでもこの意味で出たこともあり、もはや必須の多義語ともいえそうです。

example
(14) Which of the following meets the requirement?
「以下のうち、条件を満たしているのはどれか?」

この「満たす」の意味ではneeds やdemands, requirementsなどがよく目的語として使われます。

matter「重要である」

「問題」やたまに「物質」という意味にもなる名詞のmatterですが、実は頻出の動詞の意味として「重要である」という意味があります。

example
(15)It doesn’t matter whether she is married or not.
「彼女が結婚してようがいまいが関係ない。」

同じような意味に重要な多義語countがあります。このcountも動詞で「重要である」という意味で、よく出るので必ず覚えておくようにして下さい。

example
(16)What counts is your feelings.
「需要なのはあなたの気持ちだ。」