時制の一致
皆さんは時制の一致というと、ピンときますか?しっかり説明できますか?実は時制の一致は英語を書く上で、しっかり理解しておく必要があります。今日は、そんな重要な時制の一致を一緒に学習しましょう。
時制の一致の基本
主節と従属節
時制の一致の前に、主節と従属節という言葉の意味をしっかり復習しておきましょう。主節とは文のメインのS,Vを含む部分。従属節は接続詞によって導かれるS,Vの塊のことです。
(1) I know that he likes English.
上の文では、I knowが主節。that he likes Englishが従属節と呼ばれる部分です。
時制の一致
さて、では時制の一致の例を見てみましょう。
(2) I know Tom is sick.
「私はトムが病気だと知っている。」
この場合、トムは現在でも病気ということになります。では、このknowを過去形のknewに変えるとどうなるでしょうか。
(3) I knew Tom was sick.
実は主節の動詞を過去形にすると、従属節の中もつられて現在形ではなく過去形に代わります。これが時制の一致です。
では、こんなのはどうでしょうか。今度は、メインの動詞が現在形、that節内の動詞は過去形ですね。時制の違いがあるというのが大きなポイントです。
(4) I know Tom was sick.
「トムは病気だったと知っている。」
このknowをknewにかえてみましょう。「トムが病気だったと知っていた」となりますが、主節内とthat節内で時制に違いがあるということをしっかりと反映させないといけません。なので、
(5) I knew Tom had been sick.
となります。従属節はhad p.pで大過去を使い、過去の時制よりさらに前の時制を表しています。
時制の一致の例外
とりあえず時制の一致を見てみましたが、実はネイティブにはこの時制の一致は不必要な文法理論だといった印象を与えます。というのも、例外がかなり多く存在するからです。例外となる場合をみてみましょう
1. 現在でもそうである場合
現在でも従属節の内容が真の場合、そもそも時制の一致はおこりません。例えば、
(6) I knew Tom was sick
(7) I knew Tom is sick.
は両方OKです。そして、この時制の一致が起きていないパターンも非常によくでます。2つの意味が異なることに注意してください。(6)は「トムが病気だったと知っていた(今は病気でない)」、(7)は「トムが病気だと知っていた(トムは今でも病気である)」という意味です。微妙な違いですが、実際には意味がかなり違ってくるので、注意してください。
2. 不変の真理
時制の一致の例外として、「不変の真理」は時制の一致を受けません。不変の真理とは、水が100度で沸騰するとか、地球は太陽の周りをまわるとか、こういった自然現象などがよく当てはまります。
(8) We learned the water boils at 100 degree.
3. 歴史的事実
歴史的事実の場合、従属節の中は必ず過去形のままです。
(9) I learned that Columbus discovered America.
(5)-(6)の例から考えると、「私が学習した」ことと「コロンブスがアメリカを発見した」ことには時制の違いがあるのがわかりますか。もちろん、「コロンブスがアメリカを発見したこと」が先に起きて、そのあと「私が学習した」のです。なので、本来は大過去にしなければいけないのですが、ここでは大過去にはなりません。歴史的事実の場合は、かならず過去形なのです。
(10) × I learned that Columbus had discovered America.