lyで終わる形容詞

lyで終われば副詞! そんな常識を問う問題が2016年のセンター本試験の文法問題で出題されました。その問題ではlyで終わっているけど、形容詞のものを選ぶ問題で、てこずった受験生は多かったのではないでしょうか? 今日は、ly で終わるけど実は形容詞だよ、という単語を紹介したいと思います。

接尾語と接頭語

英語には接頭語とか接尾語と呼ばれるものがあります。単語の始まりや終わりにつくものです。みなさんの中にもdisがつけば意味が否定になるとか習ったこともあると思います。disは単語の先頭にくっつくので、接頭語ですね。

そして、この接頭語や接尾語の中には品詞を変えることができるものがあります。例えば、「～する人」を表すerです。

(例)　teacher, seller, ….

よく見てみると、上の例で、erは動詞にくっついているのが、わかりますか？そして、このerがくっつくと、「～する人」と名詞に代わるのです。動詞でないものに、erをつけても「～する人」という意味にはなりません。

(例) richer, cuter, …

形容詞にerを付けても、ただの比較級ですね。

「lyで終われば副詞」の問題点

では、lyはどうでしょうか?副詞のlyを見てみましょう。lyがくっついているものに共通点があります。

(例) slowly, fortunately, similarly, angrily, sadly, quickly…

副詞になっているlyがくっついているのは、全部形容詞なのがわかりますか? つまり、形容詞にlyがついていれば、副詞になるのです。

ということで、以下で紹介するlyで終わる形容詞は、形容詞にlyがくっついたものではなく、名詞にlyがくっついたものが多いです。(全部がそうではないので注意してください)

lyで終わる形容詞

さて、ではさっそくlyで終わるけど、実は形容詞だよ、というものをいくつか紹介してみたいと思います。

1. friendly

friendlyなんて言葉はもはやだれでも知っていると思いますが、じつはfriendlyはlyで終わる形容詞のもはや代表的な単語の1つです。名詞のfriendにlyがくっついてできていることも大きなヒントですね。意味は「好意的な」とか「親切な」という意味です

2. lovely

lovely も日常生活で非常によく使う言葉の１つです。やはり名詞のloveにlyがくっついてできています。「美しい」とか「素敵な」とか意味の単語です。 女性が使う言葉という印象もあります。

3. lively

livelyは「元気のいい」「陽気な」という意味の形容詞です。副詞として使わることもありますが、形容詞としての用法のほうが多いかもしれません。このlive+lyのliveは動詞であり、名詞ではありません(名詞はlife)。そういった意味で、少し珍しいです。

4. elderly

elderly は「年配の」という意味で、よくelderly person「年配の人」などといった使われ方をします。意味的にはold personもelderly personもあまり変わりませんが、elderly personといったほうが婉曲的に聞こえるので、より公共の場では好まれます。

5. likely

受験生おなじみのlikelyですね! like自体は名詞でも形容詞でもなく動詞ですが、likelyになると形容詞になります。よくbe likely to の形で使われ、beの後ろに来ていることからもこれが形容詞であることがわかります。

6. kindly

kindlyは副詞で「親切に」「親切なことに」を意味します。ただ、形容詞としても使うことができるので、注意が必要です。また、形容詞として使った場合、名詞を修飾する用法のみであり、be動詞の後ろで使ったりすることはできません。

7. daily

dailyは形容詞・副詞のいずれの用法でも使うことが可能です、dailyが「日常の」「毎日の」という意味です。名詞のday にlyがついて形成されている言葉で、これによく似たものにweekly, monthly, yearlyなどがあります。

8. early

earlyは中学校で習うような比較的優しい単語ですが、副詞で「早く」、形容詞では「早い」という意味があります。名詞のearにlyがくっついているようにも見えますが、earとは全く関係がない単語です。