前置詞+関係代名詞+to不定詞の関係不定詞
関係不定詞というと、皆さんどのようなものか、頭の中に浮かびますか?英文法の中でもかなりマニアックなもので、以下のようなものを関係不定詞と呼びます。
the house in which to live
「住むための家」
関係代名詞の後ろに不定詞がきてますね。一体どうなっているんでしょう?あまり見ない用法で、少し古いのかなとは思いますが、実はこの用法が2018年の慶應大学経済学部の穴埋め問題で出題されました!なので、このページで少し詳しく解説していきたいと思います。が、その前に不定詞の形容詞的用法を少し復習しておきましょう。
不定詞の形容詞的用法
不定詞の形容詞的用法は、以前のポストでやりましたね!形容詞的用法に限って、修飾されている名詞と不定詞の目的語が同じ場合は、不定詞の目的語の方を省略しました。(形容詞的用法ならいつでも省略が起きるわけではありません!)
something to write with
a chair to sit on
省略が起きているので、不自然に前置詞が残ったり目的語がなかったりすることがありますが、何も間違いではありません。なお、より詳しい解説は以下のポストをご覧ください。
しかし、考えてみてください。something to write withの目的語がないことからもわかるように、省略されたということは、不完全な文になっているということですよね。不完全文…何かピンときませんか?そう、関係代名詞ですね!関係代名詞の文では、後ろに不完全な文がきました。実は、この不定詞の形容詞的用法では、後ろに不完全な文が続くので、関係代名詞を使って書くことができるんです。それが、関係不定詞です。
関係不定詞
前置きが長くなりましたが、さて本題です。関係不定詞とは、形容詞的用法であり、かつ不定詞の中が不完全文である場合(前置詞の目的語がないときに限る)に関係代名詞を使って書く用法のことです。
the house in which to live
「住むための家」
初めてみる受験生はびっくりするような用法かもしれませんが、意味の取り方はかなり簡単です。まず、in whichのところは、前置詞+関係代名詞になっていますね。この場合、前置詞は文末にあったものを、関係代名詞のwhichと一緒にくっつけたものです。また、関係代名詞は不定詞の中が不完全であることを示すためにつけたものです。普通の関係代名詞と一緒で訳しません。なので、取り除いてみると
the house to live in
普通の形容詞的用法に戻りましたね。なので、形は難しく見えても、ただの形容詞的用法を難しく書いただけなのが、関係不定詞です。ここではwhichを出しましたが、他にも修飾する名詞が人の場合はwhom(前置詞付きなので、whoにはなりません)も使えます。また、前置詞も色々なものが使えます。
the good place from which to get to Tokyo
「東京に行くためのいい場所」
a teacher from whom to learn English
「英語を習うための先生」
さて、関係不定詞にはいくつかの制約があります。まず、関係不定詞は不定詞内の前置詞の目的語が省略されている時にしか使えません。なので、以下のように動詞の目的語が省略されている場合には関係不定詞で書くことはできません。これがなぜダメなのか、はかなり謎です。
× the person who to see (seeの目的語省略)
× the place which to visit (visitの目的語省略)
また、関係不定詞には修飾する名詞が必要で、関係不定詞は形容詞的用法の不定詞内の前置詞の目的語が省略されるパターンにしか出てきません。よって、以下の使い方は全て間違いです。
× He is the teacher which to teach English (形容詞的用法だが、不定詞中に省略がない)
× She went to school which to study English (形容詞的用法ではない)
× He has the ability which to run really fast. (形容詞的用法だが、不定詞中に省略がない)
また、前置詞+関係代名詞は関係副詞で書き換えることができるのですが、関係不定詞においては、前置詞+関係代名詞を関係副詞で書き換えることはできません。
× the house where to live