自由英作文の採点基準は?【大学入試】

難関大学で必ず出るのが自由英作文。しっかり練習してきた人と練習してこなかった人でかなり差が開いてしまう問題です。書けた!と思っても、意外と点数が低かったりするのが、自由英作文ですよね。

そんな自由英作ですが、模試や入試においてどうやっての採点がされているのかを模試などの採点者の経験から少しお話してみたいと思います。

自由英作文の採点方法

まず結論から言うと、採点の仕方はそのテストによって違います。

模試の場合は採点者が1人で担当することが多く、その採点が大きく採点者にゆだねられていたりします。あまりよくない採点者だと明らかな間違い以外は減点せず、見落としたりすることも多いので、点数が高く出がちです。

しかし、入試や検定試験などでの重要な試験では2人組で担当することが多く、得点はその2人の採点者の平均ということが多いです。

特に、ネィティブ講師と日本人講師の両方が採点に関わることがよくあります。ネィティブ講師だと、不自然な表現が目についたり、論理の穴をかなりするどく突っ込んで減点したりする人もおり、採点はかなり厳しい人が多いです。そのため、得点は低く出る傾向があります。

自由英作の採点基準は?

さて、自由英作文の採点ですが、70~80語を越える自由英作文の場合、文法ミスは~点減点とかいうことはせず、基本的には印象得点での採点です。

つまり、最初から最後まで一読し、いい感じに書けているかそれとも書けてないか、その印象に基づいて文法面と内容面の観点から3~5段階程度で評価することが多いです。

基本的に内容点と文法点は連動しています。つまり、内容点が高いと文法点も高くなる傾向にあります。

POINT

自由英作文は文法面と内容面の2点からA~Dの4段階で採点することが多い。

もちろん、もっと使われている語彙などの採点基準を増やしたりするなどして細かく判断することもあるのですが(本当はそうしたほうがいいのですが)、採点が大変になったり、どれをBとしてCとするかなど、採点者間での基準の共有が大変になったりするんですよね。特に採点者は採点だけを生業としている人でない場合が多いので。

さて、では具体的に採点基準を見てみましょう、この基準は採点者にもよりますが、だいたいこんな感じです。

内容点

A 問題に的確に答えており、さらに説得力もあるもの。

模試でこの成績がつくのは難関大学の受験生でも100人に1人程度です。字数制限を守りつつ、様々な表現を駆使して論理的に書くことができる、かなり高度な英語力があります。

 

B 問題に的確に答えているもの。

まぁ合格点かなという感じでしょうか。論理的な穴はあるもの、極端な論理の飛躍はなく、受験生にしては十分できているという感じです。

 

C 問題からは若干逸れているが、許容できるもの

これだと合格点まであと少し。内容が逸れているという場合や明らかな論理の飛躍がある場合もありますが、文法の誤りや不自然な表現が多く意味がとりにくいのでこの評価になってしまうという場合も多いです。

 

D 問題からは完全に逸れているもの。または空欄に近いもの。

問題文を十分に読んでいない。文構造の崩壊が多く解読できない、ずっと同じことを何度も書いているなどです。難関大学の受験生なら、この成績がつく人はほとんどいないです。

 

文法点

A 文法にほとんど間違いがないというだけではなく、多彩な文法を使いこなして書いている。

ほぼ全く間違いがないレベル。軽微な冠詞や単複ミス程度。この評価がつくのは難関大学の受験生でも200人に1人程度です。英検準1級でライティングがほとんど満点になるレベルです。

このレベルだと中学レベルの文法を駆使しただけということはありえず、倒置、強調、分詞構文、複合関係代名詞など難易度が高い文法が使いこなせている場合が多いです。

 

B 語彙の選択ミスなどいくつか間違いはあるが、軽微なもののみ。

単語の選択ミスはあるものの、関係代名詞や接続詞などの高校で学習するような基本の文法事項はしっかり使いこなせているレベル。普通の受験生はこれぐらいあればできている方です。合格するだろうなという印象。

 

C 複数間違いがあり、深刻な間違いも少しある。

悪くはないのですが、残念ながら合格点には達していないかなというレベル。

中学レベルの短い英文だけで頑張って書いていることが多いですが、残念ながら間違いや不自然な表現が多いために何を言っているのかわからなくなってしまうことが多いです。

 

D 深刻な間違いが複数あり、全体に意味がわからなくなっているもの。

練習していないんだろうなという印象です。文章全体にわたって文構造の崩壊が多く見られ、内容もほとんど理解できません。