ヒアリに刺されたらどうなる?アメリカでヒアリに刺された時の話

今、日本で絶賛人気のヒアリ。刺されたという体験談が少ないので書いてみようと思います。残念ながら、刺された当時の写真はありませんが、五年以上たった今でも刺された跡が若干ですが残っています。なお、刺されたのはアメリカ在住時のことです。

簡単に刺された時の状態をまとめました。

刺された理由: 素足でヒアリの巣を踏んだため
刺された箇所: 左足甲から足首まで30箇所程度
症状: 動悸、痛痒い、ぼーっとする

僕の場合、特に大丈夫で病院にも行ってませんが、人によってはアナフィラキシーショックなどで症状が重くなったりするようです。

ヒアリとは何か?

ヒアリは茶色の小さなありです。英語ではfire antと呼ばれ、日本のと比べるとはっきり赤茶色じみていますが、大きくはありません。日本の普通のアリ程度で、数ミリです。特徴としては赤い頭そして、黒いお尻です。なお、fire ant以外にも普通のアリも生息しているので、アリを見たら絶対fire antとも限りません。

実際のヒアリ

ヒアリは、こんもり盛り上がった塚に住んでおり、大きい時にはかなり大きくなりますが、塚自体は、アメリカでは全く珍しいものではなく、わざわざ市の人がつぶしにきたりもしないですし、踏んじゃだめだよ、ぐらいの簡単なものです。

ヒアリの塚。土の部分全部が巣。

なので、ヒアリに刺されること自体はアメリカではそれほど珍しいことではないようです。僕は一回だけですが、塾長のsarah先生は何度か噛まれたことがあります。なお、ヒアリは単体で暮らさないので、一回噛まれたら、数箇所から数十箇所は刺されることが多いです。ただ、薬が充実しているアメリカでも、ヒアリ用の薬はCVSやWalgreenといった場所にはありません。刺されて重症化したら、病院に行かなければいけません。

ヒアリの特徴は腰のところにある2つのこぶなのですが、小さい生き物なので、普通は見えません。

された時の話をもうちょっと詳しく

話は数年前。フロリダに住んでいた時でした。フロリダは常夏なので、ありとあらゆる虫がいます。へびだけでも何十種類いますし、ラブバグ(交尾しながらとぶ虫)は車にベッタリ張り付くほどです。トカゲは天気のいい日に学校から歩いて帰るだけで十匹以上見ます。うちのアパートの前にも、ヒアリの塚がありましたが、トカゲたちと同様、そんな気に留めてはいませんでした。
 
さて、ある日、より広いアパートがあったのとベッドバグに噛まれまくってうんざりしていたので、引っ越すことにしました(ベッドハグにもヒアリにもめちゃくちゃ刺されたのは日本人では僕ぐらいかもしれません)。

アメリカの引越はU-Haulというトラックを借りて自分で引越します。特別な免許なんかないのにトラックを貸すなんて、とも思いますが、これがアメリカ流です。家具やら服やらを全てトラックに積み、最後にソファを積みこまなければいけませんでした。

重かったので妻と一緒にソファーを運びましたが、大きく、運んでいるときは足元がよく見えませんでした。とはいえ、車まではわずか数メートルの距離なので、わざわざサンダルもはかず(うちは室内でくつを脱いでいました)、重いので早く積んでしまいたいという気持ちでした。

しかし、その時完全にヒアリの塚があったことを忘れていました。そしてやってしまいました。ヒアリの塚を左足でさらに素足で踏みつけたのです。踏んだというよりかは蹴ったに近かったです。

その瞬間、大量のヒアリが足に登ってきました。とっさになってヒアリをはらいました。具体的に何匹這い上がってきたかは、払うのに必死で覚えていませんが、 全部払いのけるのに、わずか5秒くらいしかかかっていません。しかし、すでに刺された跡が無数にありました。

刺された直後は痛痒い感じでした。まるで安全ピンでちくちくやられてる感じです。激痛とかはなく、無性にかいていました。しかし、どんどんと小さなニキビ大の水ぶくれが数分後にはできていきました。痒くて掻いて潰してしまいましたが、中はさらさらした透明の液体でした。さされたところは赤くなり、足の甲から足首を中心に三十箇所近くあったと思います。この時に全身症状はありませんでした。

ヒアリが危険なことは知っていたので、噛まれてしまったということから、ドキドキしてきました。病院に行かなければいけないのか・・・、と考えると頭がぼーっとしてきました。よく考えてみると、これらの症状はヒアリによるものではなく、ヒアリに刺されて気が動転していたからかもしれません。

妻も焦っていましたが、とりあえず意識障害が出てきたら病院に行こう、と決め、とりあえずソファに横になって休みました。しかし、意識障害のようななものはなかったです。しばらくするとに足は膨れ上がり、いつも履いてる靴が若干きつく感じるほどでした。足の腫れは一週間近く続きましたが、その跡腫れはひきました。ただし、刺された痕は若干残っており、水ぶくれを潰すと、痕が残ってしまうようです。

とまあ、これだけです。かなり大量に刺されましたが、特になんともありませんでした。後日、アリ塚は全く元通りになっており、ヒアリも平和な生活を取り戻していたようです。復讐として、巣の上から熱湯を注ぎましたが、ピンピンしていました。ヒアリに刺されてもすぐに死ぬわけじゃないし、死ぬぐらいまでの症状が出てくる人もアメリカでは稀です。落ち着いて処理しましょう、、、、というよりも、刺されないように気をつけるのが一番ですが。