元フロリダ住人が語る!フロリダとワニ

フロリダと言えば、ディズニーランドですが、それと同じくらい有名なのがワニでしょう。フロリダの人にとって、ワニは日本でいうたぬきのような馴染みのある動物です。今日はそのワニの話をします。

ワニの赤ちゃん

ワニには二種類ある

日本では一概にワニと呼びますが、ワニにはアリゲーター(alligator)とクロコダイル(crocodile)の2種類がいます。そして、アメリカでよく見られるワニはアリゲーターです。ゲーター(gator)とも呼ばれています。ただし、クロコダイルもフロリダ南部に一部おり、世界で唯一アリゲーターとクロコダイルが見られる場所がフロリダにはあります。
 
ワニもクロコダイルも全く同じに見えるかもしれませんが、明確に違います。その違いを挙げてみましょう。

alligator crocodile
あご(snout)の形 U字型 V字型
住んでいる場所 川や沼などの淡水域 海・汽水域
性格 臆病 獰猛

 

私はアリゲーターは毎週のように見ましたが、クロコダイルは生で見たことがありませんし、あまりよく知りません。このポストにでるワニは、すべてアリゲーターを指すと考えてください。

ワニの特徴

では、そのワニですが、フロリダが有名です。フロリダ大学もワニがマスコットで、それほどフロリダではワニが有名です。ただし、ワニはフロリダに限定されているものではありません。フロリダ以外にも、ルイジアナ全域、ミシシッピ、ジョージアの南部、サウスカロライナなど、アメリカの南部では実はよくいる動物です。

ワニは基本的に夜行性の生き物です。なので、昼間はひなたぼっこしながら、寝ていることが多いです。ワニは暗くなってから、エサを探し始めます。ちなみに、ワニはopportunist feedersと呼ばれ、自分が食べれそうなものなら、何でも食べます。なので、魚、鳥、亀、へび、そしてなんと他のワニも食べてしまいます。マシュマロとかも食べます。犬や子供も小さいので、えさになります。

ワニは変音動物です。なので、体温は周りに合わせて変化し、冬は寒くなると冬眠のような状態になります。25度をきると活発でなくなり、22度くらいからは食べるのをやめます。さらにさむくなると、岸に住処をつくり、暖かくなるまで動かなくなります。一方、ワニの生息域の北限ではかなり寒くなり、たまに湖が凍りつき、ワニも水の中で凍りつきますが、それでも暖かくなって氷が溶けるとまた元気に動き回ることができます。なお、フロリダの南部(エバーグレーズ周辺)では、年間通して25度近くあるので、このような冬眠状態になるのは年間数日程度ですが、ディズニーランドがあるオーランドやタンパ周辺は冬25度を下回ることも多く、冬にはワニが見られないかもしれません。

恐ろしいイメージが強いワニですが、実は学問的には非常に面白い動物でもあります。例えば、その見てくれがまさに恐竜っぽい事からもわかるように、何百万年も進化していません。また、そのたまごは保温状況により、オスメスが決定することが知られています。

ワニは怖い?

ワニに襲われる確率は低い

フロリダにはたくさんワニがいますが、噛まれることはまれです。1973年から見てワニに襲われ死亡した例は30件ほどしかありません。また、臆病な性格のため、何も理由なく噛むことはほとんどありません。フロリダに住んでいる限り、ほぼ毎週のようにワニを見るかもしれませんが、何もびくびくすることはありません。

最も人間に対する被害が集中しているのが、春から夏にかけての繁殖期です。繁殖期にはワニは自分の巣を守るため、敏感になるので要注意です。

しかし、それでも噛まれたらどうするのか、ということですが、目を攻撃すると、噛むのを離すことがあるようです。ただし、ワニの噛む力は1000kg近くあり、動物の中ではトップレベルの噛む力を持っています。噛まれた瞬間、水の中に引き込まれるので、水辺近くで噛まれたら、なかなか逃げるのは難しいのかもしれません。

小さくてもしっかりキバが生えています。

さわらない、エサをあげない

ワニに噛まれる一番大きな理由は捕まえようとしたり、触ろうとしたりしたためでしょう。ワニを捕まえるためには、その強力な顎を封じるために馬乗りになって捕まえるのですが、普通の人にはまず無理です。

ワニは基本的に臆病ですが、もし自分が脅かされていると感じたら、人を襲うことはもちろんあります。通常、威嚇として口を開けたり、シーっと猫のような威嚇音をあげたりします。こうしたことにならないためにも、不用意に近づきすぎたりしないことが重要です。また、ワニは水面下からいきなり表れることもあるので、夜明けや夜には水面から少し離れてあるかなければいけません。

えさをあげたりする人もたまにいますが、えさをあげることで、人をえさだと認識し、襲う可能性があるので絶対ダメです。なお、フロリダではワニを殺すこと、ペットとして飼うこと、エサをあげることは全て法律で禁止されています。

どの川や沼でもワニはいる。絶対に遊泳場所以外に入らない

フロリダに限らずワニがいる池や湖には入るな、のサインがあることが多いです。中にはきちんとフェンスで囲まれているところがありますが、囲まれていないところのほうが多いです。住宅地や大学キャンパス内でも、ワニがいたりすることもあります。フロリダでは大きな湖や池には基本、ワニがいます。濁った沼などは特に危険で、かなりの数がいると見て間違いないです。またフロリダには沼マムシ(water moccasin)もいるので、沼は超危険地帯です。

ただし、フロリダには無数の泉がありますが、泉はかなり水温が低いので大丈夫なようで、多くの人が泳ぎに行きます。また池や湖でもきちんとした遊泳場所になっている場合、基本的に安全です。

ワニは頭を水面から出すこともあるので、結構見つけやすいです。